この度は、第1回『スカイコート学生プランニングコンペ』に数多くの素晴らしい作品をご応募くださり、誠にありがとうございました。
建築・デザインの勉強をされている学生の方々が未来の居住感をどのように捉えているのか?皆様の作品を拝見するのがとても楽しみでした。
どの作品も住まいについての空間表現・機能性が様々な視点から考えられており、その感性に感動いたしました。そして、進化し続ける住まいの提案、暮らし方がこの先どのように変化していくのか、想像をかきたてられました。
本コンテストは2021年に第2回開催を予定しております。
今後も多くの皆さまに参加していただけるようなテーマをご提案させていただきたいと思っております。
スカイコート株式会社
取締役社長 西田美和
【審査員総評】
生活スタイルや価値観など様々な物事が多様化していく現代においての「未来」への提案でしたが、「空間の可変性」または「ニッチなスタイル」に重点を置いた案のそれぞれに可能性が感じられる有意義な提案が多いコンペだったと思います。
【作品講評】
・「50年後の1R」というテーマに対し、今後起こりうるであろう人口減少、空き家問題などの社会的変化に1Rがどう適応していくべきかを、詩的感覚で提案していた。
現実離れした提案ではあるが、水車を流れる水、えんえんと繋がる階段などの画像で我々を取り巻く環境は孤立しているのではなく、相互に影響を与え繋がっている。その様な中に建築を構築したらどうなるのかを示していた。
力強い提案ではないかもしれないが、自然に適応し、より良い空間を作ろうという提案を、ノスタルジーを感じさせる雰囲気でデザインした案を評価しました。
・伝統と革新の融合が素晴らしい。空き家を減築し、緑化していく考え方が良いと思った。
【作品講評】
・コンペ条件の30㎡以内に縮小しても、多様な人々(サイクリスト、植物マニア、在宅ワーカー)が楽しく住み続けられる可能性を感じます。
・従来のワンルームマンションの既存概念は取り除かれ、楽しく住まうことを自ら考えるという建築性とデザイン性が豊かに感じられる。「集合して住まうこと」の視点がより盛り込まれていれば更に良い。
【作品講評】
・上下空間の有効利用についての発想は50年後に予測される日本の人口動態における一つの答えかもしれない。既存のマンションでの変更においては構造的には現実的ではないと思われるが今後建てられるマンションにおいてなら、この発想を持って構造計画し人口減少社会と単身者需要の高まりに対応出来得る可変型マンションとすることが出来るのではないか。また、本作品はワクワクするような住まい方の魅力を加えている点においても高く評価させていただきました。
・少子高齢化でワンルームに住む人が減少してくると思うので、狭い1部屋を2部屋使用し有効活用するのは良いと思う。今後の社会を見据えており、具体的に検討できそう。
(敬称略 / 順不同)
審査員紹介
岡村 正樹
岡村正樹建築設計事務所 / 一級建築士
静岡県生まれ。高校3年の夏、受験勉強の合間に本屋で建築の写真集を立ち読みしたことをきっかけに、千葉大学工学部建築学科に進学。卒業後2つの設計事務所にて実務経験を積んだ後の2010年に岡村正樹建築設計事務所を設立。設計事務所勤務時代は個人住宅・集合住宅・店舗等の設計・デザイン監修に従事。独立後は人を包み込む空間の設計を目指し、多角的な視野を大切に、街と繋がった活動の展開を試行中。
鳴澤 博
一級建築士事務所 有限会社 鳴建築設計室 / 一級建築士
神奈川大学工学部建築学科卒業後、1986年に鳴建築設計を設立。その後、平成2年に一級建築士事務所 有限会社 鳴建築設計室を設立。集合住宅・個人住宅を中心に設計、監理を行う。
長谷川 寛
株式会社デザインファクトリー 一級建築士事務所 / 一級建築士
静岡県生まれ。明治大学建築学科卒業後、1986年に株式会社デザインファクトリー一級建築士事務所を設立。第一回ビワコ現代彫刻展、アートヒル三好ケ丘 ‘91彫刻フェスタで賞を獲得。現在は商業建築、住居建築、家具デザインを中心に設計活動をおこなっている。
藤原 茂
スカイコート株式会社 副社長/一級建築士・インテリアプランナー
東京理科大学工学部第一部建築学科卒業、東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修了(工学修士)。その後、オフィスビル・マンションデベロッパーの建築設計部、大手ハウスメーカー特建事業部勤務等を経て、1998年にデザイン住宅を設計・施工する一級建築士事務所を設立。これまでに自ら設計・施工を手掛けたデザイン住宅は380棟を超える。2015年7月よりスカイコート株式会社の経営に参画し2019年10月より現職。
※その他、一級建築士1名とスカイコート役員が本審査に参加
(敬称略 / 五十音順)